リハビリテーション(医科)

【廃用症候群リハビリテーション料】2020年度・診療報酬(医科|H001-2)

1 廃用症候群リハビリテーション料(Ⅰ)(1単位)180点
2 廃用症候群リハビリテーション料(Ⅱ)(1単位)146点
3 廃用症候群リハビリテーション料(Ⅲ)(1単位)77点


別に厚生労働大臣が定める基準に適合している保険医療機関において、急性疾患等に伴う安静による廃用症候群の患者であって、一定程度以上の基本動作能力、応用動作能力、言語聴覚能力及び日常生活能力の低下を来しているものに対して個別療法であるリハビリテーションを行った場合に、当該基準に係る区分に従って、それぞれ廃用症候群の診断又は急性増悪から120日を限度として所定点数を算定する。ただし、別に厚生労働大臣が定める患者について、治療を継続することにより状態の改善が期待できると医学的に判断される場合その他の別に厚生労働大臣が定める場合には、120日を超えて所定点数を算定することができる。


注1本文に規定する患者であって入院中のものに対してリハビリテーションを行った場合は、当該患者の廃用症候群に係る急性疾患等の発症、手術若しくは急性増悪又は当該患者の廃用症候群の急性増悪から30日を限度として、早期リハビリテーション加算として、1単位につき30点を所定点数に加算する。


別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関において、注1本文に規定する患者であって入院中のものに対してリハビリテーションを行った場合は、当該患者の廃用症候群に係る急性疾患等の発症、手術若しくは急性増悪又は当該患者の廃用症候群の急性増悪から14日を限度として、初期加算として、1単位につき45点を更に所定点数に加算する。


注1本文の規定にかかわらず、注1本文に規定する患者であって、要介護被保険者等以外のものに対して、必要があってそれぞれ廃用症候群の診断又は急性増悪から120日を超えてリハビリテーションを行った場合は、1月13単位に限り算定できるものとする。


注1本文の規定にかかわらず、注1本文に規定する別に厚生労働大臣が定める患者であって、入院中の要介護被保険者等に対して、必要があってそれぞれ廃用症候群の診断又は急性増悪から120日を超えてリハビリテーションを行った場合は、1月13単位に限り、注1に規定する施設基準に係る区分に従い、次に掲げる点数を算定できるものとする。

イ:廃用症候群リハビリテーション料(Ⅰ)(1単位)108点
ロ:廃用症候群リハビリテーション料(Ⅱ)(1単位)88点
ハ:廃用症候群リハビリテーション料(Ⅲ)(1単位)46点


注1本文に規定する患者(要介護被保険者等に限る。)に対し、それぞれ廃用症候群の診断又は急性増悪から40日を経過した後に、引き続きリハビリテーションを実施する場合において、過去3月以内にH003-4に掲げる目標設定等支援・管理料を算定していない場合には、所定点数の100分の90に相当する点数により算定する。

通知

(1)
運動器リハビリテーション料は、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長に届出を行った保険医療機関において算定するものであり、基本的動作能力の回復等を通して、実用的な日常生活における諸活動の自立を図るために、種々の運動療法、実用歩行訓練、日常生活活動訓練、物理療法、応用的動作能力、社会的適応能力の回復等を目的とした作業療法等を組み合わせて個々の症例に応じて行った場合に算定する。なお、マッサージや温熱療法などの物理療法のみを行った場合には第2章特掲診療料第9部処置の項により算定する。

(2)
運動器リハビリテーション料の対象となる患者は、特掲診療料の施設基準等別表第九の六に掲げる患者であって、以下のいずれかに該当するものをいい、医師が個別に運動器リハビリテーションが必要であると認めるものである。

ア:急性発症した運動器疾患又はその手術後の患者とは、上・下肢の複合損傷(骨、筋・腱・靭帯、神経、血管のうち3種類以上の複合損傷)、脊椎損傷による四肢麻痺(1肢以上)、体幹・上・下肢の外傷・骨折、切断・離断(義肢)、運動器の悪性腫瘍等のものをいう。

イ:慢性の運動器疾患により、一定程度以上の運動機能及び日常生活能力の低下を来している患者とは、関節の変性疾患、関節の炎症性疾患、熱傷瘢痕による関節拘縮、運動器不安定症等のものをいう。

(3)
運動器リハビリテーション料の所定点数には、徒手筋力検査及びその他のリハビリテーションに付随する諸検査が含まれる。

(4)
運動器リハビリテーション料は、医師の指導監督の下、理学療法士又は作業療法士の監視下により行われたものについて算定する。また専任の医師が、直接訓練を実施した場合にあっても、理学療法士又は作業療法士が実施した場合と同様に算定できる。

(5)
運動器リハビリテーション料を算定すべきリハビリテーションは、1人の従事者が1人の患者に対して重点的に個別的訓練を行う必要があると認められる場合であって、理学療法士又は作業療法士と患者が1対1で行うものとする。なお、当該リハビリテーションの実施単位数は、従事者1人につき1日18単位を標準とし、週108単位までとする。ただし、1日24単位を上限とする。また、当該実施単位数は、他の疾患別リハビリテーション及び集団コミュニケーション療法の実施単位数を合わせた単位数であること。この場合にあって、当該従事者が心大血管疾患リハビリテーションを実施する場合には、実際に心大血管疾患リハビリテーションに従事した時間20分を1単位とみなした上で計算するものとする。

(6)
運動器リハビリテーション料(Ⅲ)の届出を行った保険医療機関(専従する常勤の理学療法士が勤務している場合に限る。)において、理学療法士及び作業療法士以外に、運動療法機能訓練技能講習会を受講するとともに、定期的に適切な研修を修了しているあん摩マッサージ指圧師等の従事者が訓練を行った場合については、当該療法を実施するに当たり、医師又は理学療法士が事前に指示を行い、かつ事後に当該療法に係る報告を受ける場合であって(1)から(5)までのいずれにも該当する場合に限り、運動器リハビリテーション料(Ⅲ)の所定点数を算定できる。

(7)
運動器リハビリテーション料(Ⅱ)の届出を行った保険医療機関において、理学療法士及び作業療法士以外に、適切な運動器リハビリテーションに係る研修を修了したあん摩マッサージ指圧師等の従事者が訓練を行った場合については、当該療法を実施するに当たり、医師又は理学療法士が事前に指示を行い、かつ事後に当該療法に係る報告を受ける場合であって(1)から(5)までのいずれにも該当する場合に限り、運動器リハビリテーション料(Ⅲ)の所定点数を算定できる。

(8)
理学療法士又は作業療法士等が、車椅子上での姿勢保持が困難なために食事摂取等の日常生活動作の能力の低下を来した患者に対し、いわゆるシーティングとして、車椅子や座位保持装置上の適切な姿勢保持や褥瘡予防のため、患者の体幹機能や座位保持機能を評価した上で体圧分散やサポートのためのクッションや付属品の選定や調整を行った場合にも算定できる。ただし、単なる離床目的で車椅子上での座位をとらせる場合は算定できない。

(9)
運動器リハビリテーション料(Ⅰ)の届出を行った保険医療機関において、理学療法士及び作業療法士以外に、適切な運動器リハビリテーションに係る研修を修了したあん摩マッサージ指圧師等の従事者が訓練を行った場合については、当該療法を実施するに当たり、医師又は理学療法士が事前に指示を行い、かつ事後に当該療法に係る報告を受ける場合であって(1)から(5)までのいずれにも該当する場合に限り、運動器リハビリテーション料(Ⅲ)の所定点数を算定できる。

(10)
「注1」に規定する標準的算定日数は、発症、手術又は急性増悪の日が明確な場合はその日から150日以内、それ以外の場合は最初に当該疾患の診断がされた日から150日以内とする。

(11)
標準的算定日数を超えた患者については、「注4」及び「注5」に規定するとおり、1月13単位に限り運動器リハビリテーション料の所定点数を算定できる。なお、その際、入院中の患者以外の患者にあっては、介護保険によるリハビリテーションの適用があるかについて、適切に評価し、患者の希望に基づき、介護保険によるリハビリテーションサービスを受けるために必要な支援を行うこと。また、入院中の患者であって、介護保険法第62条に規定する要介護被保険者等であるものについては、「注5」に規定する点数をそれぞれの区分に従い算定する。ただし、特掲診療料の施設基準等別表第九の八に掲げる患者であって、別表第九の九に掲げる場合については、標準的算定日数を超えた場合であっても、標準的算定日数内の期間と同様に算定できるものである。なお、その留意事項は以下のとおりである。

ア:特掲診療料の施設基準等別表第九の八第一号に規定する「その他別表第九の四から別表第九の七までに規定する患者であって、リハビリテーションを継続して行うことが必要であると医学的に認められるもの」とは、別表第九の四から別表第九の七までに規定する患者であって、リハビリテーションを継続することにより状態の改善が期待できると医学的に認められるものをいうものである。

イ:特掲診療料の施設基準等別表第九の八に規定する「加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病の者」とは、要介護状態又は要支援状態にある40歳以上の者であって、その要介護状態又は要支援状態の原因である身体上又は精神上の障害が、介護保険法第7条第3項第2号に規定する特定疾病によって生じたものであるものをいう。

(12)
「注2」に掲げる加算は、当該施設における運動器疾患に対する発症、手術又は急性増悪後早期からのリハビリテーションの実施について評価したものであり、入院中の患者又は入院中の患者以外の患者(大腿骨頸部骨折の患者であって、当該保険医療機関を退院したもの又は他の保険医療機関を退院したもの(区分番号「A246」注4の地域連携診療計画加算を算定した患者に限る。)に限る。)に対して1単位以上の個別療法を行った場合に算定できる。また、入院中の患者については、訓練室以外の病棟(ベッドサイドを含む。)で実施した場合においても算定することができる。なお、特掲診療料の施設基準等別表第九の六第二号に掲げる患者については、手術を実施したもの及び急性増悪したものを除き、「注2」に掲げる加算は算定できない。

(13)
「注3」に掲げる加算は、当該施設における運動器疾患に対する発症、手術又は急性増悪後、より早期からのリハビリテーションの実施について評価したものであり、「注2」に掲げる加算とは別に算定することができる。また、当該加算の対象患者は、入院中の患者又は入院中の患者以外の患者(大腿骨頸部骨折の患者であって、当該保険医療機関を退院したもの又は他の保険医療機関を退院したもの(区分番号「A246」注4の地域連携診療計画加算を算定した患者に限る。)に限る。)である。なお、特掲診療料の施設基準等別表第九の六第二号に掲げる患者については、手術を実施したもの及び急性増悪したものを除き、「注3」に掲げる加算は算定できない。

(14)
入院中の患者以外の患者(大腿骨頸部骨折の患者であって他の保険医療機関を退院したもの)が「注2」又は「注3」に掲げる加算を算定する場合にあっては、区分番号「A246」注4の地域連携診療計画加算の算定患者である旨を、診療報酬明細書の摘要欄に記載する。

(15)
「注4」及び「注5」に掲げる標準的算定日数を超えてリハビリテーションを継続する患者について、月の途中で標準的算定日数を超えた場合においては、当該月における標準的算定日数を超えた日以降に実施された疾患別リハビリテーションが13単位以下であること。

(16)
「注6」における「所定点数」とは、「注1」から「注5」までを適用して算出した点
数である。

カルテ等への記載事項

特記事項なし。

レセプト記載事項

廃用症候群リハビリテーション料

算定単位数及び実施日数を記載すること。

廃用症候群の診断又は急性増悪した月日を記載すること。廃用症候群に係る評価表を添付する又は同様の情報を「摘要」欄に記載すること。

(標準的算定日数を超えて月13単位を超えて疾患別リハビリテーションを行う患者のうち、治療を継続することにより状態の改善が期待できると医学的に判断される場合(特掲診療料の施設基準等別表第九の八第一号に掲げる患者であって、別表第九の九第一号に掲げる場合))心大血管疾患リハビリテーション料(項番306)と同様。

(新たな疾患が発症し、新たに他の疾患別リハビリテーションを要する状態となった場合)新たな疾患名及び治療開始日又は発症月日等を記載すること。

廃用症候群リハビリテーション料の早期リハビリテーション加算

当該患者の廃用症候群にかかる急性疾患等の疾患名とその発症、手術若しくは急性増悪の月日、又は廃用症候群の急性増悪の月日を記載すること。

廃用症候群リハビリテーション料の初期加算

当該患者の廃用症候群にかかる急性疾患等の疾患名とその発症、手術若しくは急性増悪の月日、又は廃用症候群の急性増悪の月日を記載すること。

施設基準

1 廃用症候群リハビリテーション料(Ⅰ)に関する施設基準

(1)
脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅰ)を届け出ていること。なお、言語聴覚療法のみを実施する保険医療機関で、第40の1の(1)から(4)までのいずれかを満たさず、(5)のアからエまでを全て満たすことで脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅰ)の基準を満たしたものについては、言語聴覚療法のみについて廃用症候群リハビリテーション料(Ⅰ)を算定できる。

(2)
脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅰ)の施設基準における専任の医師、専従の理学療法士、専従の作業療法士及び専従の言語聴覚士は、それぞれ廃用症候群リハビリテーション料(Ⅰ)の専任者又は専従者を兼ねるものとする。

2 初期加算に関する施設基準

当該保険医療機関にリハビリテーション科の常勤の医師が1名以上配置されていること。なお、週3日以上常態として勤務しており、かつ、所定労働時間が週22時間以上の勤務を行っているリハビリテーション科の非常勤医師を2名以上組み合わせることにより、常勤医師の勤務時間帯と同じ帯時間に当該医師が配置されている場合には、当該基準を満たしていることとみなすことができる。

3 届出に関する事項

脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅰ)の届出を行っていればよく、廃用症候群リハビリテーション料(Ⅰ)として特に地方厚生(支)局長に対して、届出を行う必要はないこと。第

1 廃用症候群リハビリテーション料(Ⅱ)に関する施設基準

(1)
脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅱ)を届け出ていること。なお、言語聴覚療法のみを実施する保険医療機関で、第40の2の1の(1)から(3)まで又は(5)のいずれかを満たさず、(6)のアからエまでを全て満たすことで脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅱ)の基準を満たしたものについては、言語聴覚療法のみについて廃用症候群リハビリテーション料(Ⅱ)を算定できる。

(2)
脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅱ)の施設基準における専任の医師、専従の理学療法士、専従の作業療法士及び専従の言語聴覚士は、それぞれ廃用症候群リハビリテーション料(Ⅱ)の専任者又は専従者を兼ねるものとする。

2 初期加算に関する施設基準

当該保険医療機関にリハビリテーション科の常勤の医師が1名以上配置されていること。なお、週3日以上常態として勤務しており、かつ、所定労働時間が週22時間以上の勤務を行っているリハビリテーション科の非常勤医師を2名以上組み合わせることにより、常勤医師の勤務時間帯と同じ時間帯にこれらの非常勤医師が配置されている場合には、当該基準を満たしていることとみなすことができる。

3 届出に関する事項

脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅱ)の届出を行っていればよく、廃用症候群リハビリテーション料(Ⅱ)として特に地方厚生(支)局長に対して、届出を行う必要はないこと。第

1 廃用症候群リハビリテーション料(Ⅲ)に関する施設基準

(1)
脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅲ)を届け出ていること。

(2)
脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅲ)の施設基準における専任の医師、専従の理学療法士、専従の作業療法士及び専従の言語聴覚士は、それぞれ廃用症候群リハビリテーション料(Ⅲ)の専任者又は専従者を兼ねるものとする。

2 初期加算に関する施設基準

当該保険医療機関にリハビリテーション科の常勤の医師が1名以上配置されていること。なお、週3日以上常態として勤務しており、かつ、所定労働時間が週22時間以上の勤務を行っているリハビリテーション科の非常勤医師を2名以上組み合わせることにより、常勤医師の勤務時間帯と同じ時間帯にこれらの非常勤医師が配置されている場合には、当該基準を満たしていることとみなすことができる。

3 届出に関する事項

脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅲ)の届出を行っていればよく、廃用症候群リハビリテーション料(Ⅲ)として特に地方厚生(支)局長に対して、届出を行う必要はないこと。