投薬(医科)

【処方箋料】2020年度・診療報酬(医科|F400)

F400 処方箋料

1 3種類以上の抗不安薬、3種類以上の睡眠薬、3種類以上の抗うつ薬、3種類以上の抗精神病薬又は4種類以上の抗不安薬及び睡眠薬の投薬(臨時の投薬等のもの及び3種類の抗うつ薬又は3種類の抗精神病薬を患者の病状等によりやむを得ず投与するものを除く。)を行った場合 28点

2 1以外の場合であって、7種類以上の内服薬の投薬(臨時の投薬であって、投薬期間が2週間以内のもの及び区分番号A001に掲げる再診料の注12に掲げる地域包括診療加算を算定するものを除く。)を行った場合又は不安若しくは不眠の症状を有する患者に対して1年以上継続して別に厚生労働大臣が定める薬剤の投薬(当該症状を有する患者に対する診療を行うにつき十分な経験を有する医師が行う場合又は精神科の医師の助言を得ている場合その他これに準ずる場合を除く。)を行った場合 40点

3 1及び2以外の場合 68点

1 保険薬局において調剤を受けるために処方箋を交付した場合に、交付1回につき算定する。

2 区分番号A000に掲げる初診料の注2又は注3、区分番号A002に掲げる外来診療料の注2又は注3を算定する保険医療機関において、別に厚生労働大臣3が定める薬剤を除き、1処方につき投与期間が30日以上の投薬を行った場合には、所定点数の100分の40に相当する点数により算定する。

3 3歳未満の乳幼児に対して処方箋を交付した場合は、乳幼児加算として、処方箋の交付1回につき3点を所定点数に加算する。

4 診療所又は許可病床数が200床未満の病院である保険医療機関において、入院中の患者以外の患者(別に厚生労働大臣が定める疾患を主病とするものに限る。)に対して処方箋を交付した場合は、特定疾患処方管理加算1として、月2回に限り、処方箋の交付1回につき18点を所定点数に加算する。

5 診療所又は許可病床数が200床未満の病院である保険医療機関において、入院中の患者以外の患者(別に厚生労働大臣が定める疾患を主病とするものに限る。)に対して薬剤の処方期間が28日以上の処方を行った場合は、特定疾患処方管理加算2として、月1回に限り、1処方につき66点を所定点数に加算する。ただし、この場合において、同一月に特定疾患処方管理加算1は算定できない。

6 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関(許可病床数が200床以上の病院に限る。)において、治療の開始に当たり投薬の必要性、危険性等について文書により説明を行った上で抗悪性腫瘍剤に係る処方箋を交付した場合には、抗悪性腫瘍剤処方管理加算として、月1回に限り、処方箋の交付1回につき70点を所定点数に加算する。

7 薬剤の一般的名称を記載する処方箋を交付した場合は、当該処方箋の内容に応じ、次に掲げる点数を処方箋の交付1回につきそれぞれ所定点数に加算する。
イ 一般名処方加算1 7点
ロ 一般名処方加算2 5点

8 抗不安薬等が処方されていた患者であって、当該処方の内容を総合的に評価及び調整し、当該患者に処方する抗不安薬等の種類数又は投薬量が減少したものについて、薬剤師に対し、薬剤の種類数又は投薬量が減少したことによる症状の変化等の確認を指示した場合に、向精神薬調整連携加算として、月1回に限り、1処方につき12点を所定点数に加算する。ただし、同一月において、区分番号A250に掲げる薬剤総合評価調整加算及び区分番号B008-2に掲げる薬剤総合評価調整管理料は別に算定できない。

通知

(1) 医師が処方する投薬量については、予見することができる必要期間に従ったものでなければならず、30日を超える長期の投薬を行うに当たっては、長期の投薬が可能な程度に病状が安定し、服薬管理が可能である旨を医師が確認するとともに、病状が変化した際の対応方法及び当該保険医療機関の連絡先を患者に周知する。なお、上記の要件を満たさない場合は、原則として次に掲げるいずれかの対応を行うこと。
ア 30日以内に再診を行う。
イ 許可病床数が200床以上の保険医療機関にあっては、患者に対して他の保険医療機関(許可病床数が200床未満の病院又は診療所に限る。)に文書による紹介を行う旨の申出を行う。
ウ 患者の病状は安定しているものの服薬管理が難しい場合には、分割指示に係る処方箋を交付する。

(2) 保険薬局で保険調剤を受けさせるために、患者に保険医療機関及び保険医療養担当規則(昭和32年厚生省令第15号)に定められている様式の完備した処方箋(院外処方箋)を交付した場合に限り算定し、その処方箋に処方した剤数、投与量(日分数)等の如何にかかわらず、1回として算定する。なお、分割指示に係る処方箋を発行する場合は、保険医療機関及び保険医療養担当規則に定められている様式第二号の二を用いることとし、分割の回数は3回までとする。また、患者に対し、調剤を受ける度に別紙を含む分割指示に係る処方箋の全てを保険薬局に提出するよう指導する。

(3) 同一の保険医療機関が一連の診療に基づいて、同時に、同一の患者に2枚以上の処方箋を交付した場合は、1回として算定する。

(4) 複数の診療科を標榜する保険医療機関において、2以上の診療科で、異なる医師が処方した場合は、それぞれの処方につき処方箋料を算定することができる。

(5) 「1」については、区分番号「F100」処方料の(3)に準じるものとする。

(6) 「2」において、処方箋料における内服薬の種類については、区分番号「F200」薬剤の「注3」における内服薬の種類と同様の取扱いとする。なお、当該処方に係る内服薬の投薬が6種類以下の場合又は外用薬、屯服薬のみの投薬の場合は「3」で算定する。

(7) 「2」において、臨時的に内服薬の追加投与等を行った結果、1処方につき内服薬が7種類以上となる場合には、処方箋の備考欄にその必要性を記載する。その他、臨時的に内服薬の追加投与を行った場合の取扱いについては区分番号「F200」薬剤の(6)に準じるものとする。

(8) 「2」において、「不安若しくは不眠の症状を有する患者に対して1年以上継続して別に厚生労働大臣が定める薬剤の投薬を行った場合」については、区分番号「F100」処方料の(6)に準じるものとする。

(9) 同一の患者に対して、同一診療日に、一部の薬剤を院内において投薬し、他の薬剤を院外処方箋により投薬することは、原則として認められない。また、注射器、注射針又はその両者のみを処方箋により投与することは認められない。

(10) 「注2」については、区分番号「F100」処方料の(11)に準じるものとする。

(11) 乳幼児加算、特定疾患処方管理加算及び抗悪性腫瘍剤処方管理加算は区分番号「F100」処方料の(8)、(9)又は(10)に準じるものとする。

(12) 「注7」に規定する一般名処方加算は、後発医薬品のある医薬品について、薬価基準に収載されている品名に代えて、一般的名称に剤形及び含量を付加した記載(以下「一般名処方」という。)による処方箋を交付した場合に限り算定できるものである。交付した処方箋に含まれる医薬品のうち、後発医薬品のある全ての医薬品(2品目以上の場合に限る。)が一般名処方されている場合には一般名処方加算1を、1品目でも一般名処方されたものが含まれている場合には一般名処方加算2を、処方箋の交付1回につきそれぞれ加算する。品目数については、一般的名称で計算する。ただし、投与経路が異なる場合は、一般的名称が同一であっても、別品目として計算する。なお、一般名処方とは、単に医師が先発医薬品か後発医薬品かといった個別の銘柄にこだわらずに処方を行っているものである。また、一般名処方を行った場合の(6)の取扱いにおいて、「種類」の計算に当たっては、該当する医薬品の薬価のうち最も低いものの薬価とみなすものとする。

(13) 「注8」については、区分番号「F100」処方料の(13)及び(14)に準じるものとする。

(14) 訪問薬剤管理指導との関係保険薬局に訪問薬剤管理指導を依頼している場合は、当該保険医療機関は区分番号「C008」在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定できない。保険薬局から情報提供があった場合は、当該保険医療機関は文書を診療録等に添付する。なお、地方厚生(支)局長に届出を行った保険薬局が在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定できるのは月に4回(末期の悪性腫瘍の患者及び中心静脈栄養法の対象患者については、週2回かつ月8回)に限られる。

カルテ等への記載事項

通知(14)
訪問薬剤管理指導との関係保険薬局に訪問薬剤管理指導を依頼している場合は、当該保険医療機関は区分番号「C008」在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定できない。保険薬局から情報提供があった場合は、当該保険医療機関は文書を診療録等に添付する。

レセプト記載事項

処方箋料

(診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」別添1の第2章第5部第2節F100処方料の(3)のアの(イ)から(ニ)に定める内容に該当し、処方料又は処方せん料について「1」の点数を算定しない場合)その理由を記載すること。

(精神疾患を有する患者が、当該疾患の治療のため、当該保険医療機関を初めて受診した日において、他の保険医療機関で既に向精神薬多剤投与されている場合の連続した6か月間の場合)当該保険医療機関の初診日を記載すること。

(向精神薬多剤投与に該当しない期間が1か月以上継続しており、向精神薬が投与されている患者について、当該患者の症状の改善が不十分又はみられず、薬剤の切り替えが必要であり、既に投与されている薬剤と新しく導入する薬剤を一時的に併用する場合の連続した3か月間の場合)薬剤の切り替えの開始日、切り替え対象となる薬剤名及び新しく導入する薬剤名を記載すること。

(臨時に投与した場合)臨時の投与の開始日を記載すること。

(複数の診療科を標榜する保険医療機関において、2以上の診療科で、異なる医師が処方した場合)その旨を記載すること。

(臨時薬を追加投与し、その結果投与する内服薬が7種類以上となる場合)臨時薬の投与の必要性を記載すること。ただし、病名によりその必要性が判断できる場合は、この限りでない。

(ビタミン剤を投与した場合)当該ビタミン剤の投与が必要かつ有効と判断した趣旨を記載すること。ただし、病名によりビタミン剤の投与が必要かつ有効と判断できる場合はこの限りではない。

(臨時薬を追加投与し、その結果投与する内服薬が7種類以上となる場合)臨時薬の投与の必要性を記載すること。ただし、病名によりその必要性が判断できる場合は、この限りでない。

(湿布薬を投与した場合)所定単位当たりの薬剤名、湿布薬の枚数としての投与量を記載した上で、湿布薬の枚数としての1日用量又は投与日数を記載すること。

(1回の処方において、70枚を超えて湿布薬を投与した場合)当該湿布薬の投与が必要であると判断した趣旨を記載すること。

(緊急やむを得ず、同一の患者に対して、同一診療日に一部の薬剤を院内において投薬し、他の薬剤を処方せんにより投薬した場合)その月日及び理由を記載すること。

(長期の旅行等特殊の事情がある場合において、必要があると認め、必要最小限の範囲において、投薬量が1回14日分を限度とされる内服薬及び外用薬を14日を超えて投与した場合)当該長期投与の理由を記載すること。

処方料及び処方箋料の特定疾患処方管理加算2
(隔日、漸増・減等で投与する場合)その旨を記載すること。

施設基準

抗悪性腫瘍剤処方管理加算

1 抗悪性腫瘍剤処方管理加算に関する施設基準
(1) 許可病床数が200床以上の病院であること。
(2) 化学療法の経験を5年以上有する専任の常勤医師が1名以上勤務していること。

2 届出に関する事項
(1) 抗悪性腫瘍剤処方管理加算の施設基準に係る届出は、別添2の様式38の2を用いること。
(2) 1の(2)に掲げる医師の経験が確認できる文書を添付すること。

抗悪性腫瘍剤処方管理加算の施設基準に係る届出書添付